広場恐怖症

広場恐怖症の症状と特徴

広場恐怖症の「広場」とは、ギリシャ語の「agora」に由来し、もともとは「公共の広場」を意味します。元来、広場恐怖症は、広々とした空間に対する恐怖を表す病気として認識されていました。しかし、現代のDSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)では、その「広場」の概念がより広く解釈されるようになりました。
現在では、広場恐怖症とは、「自分を制御できなくなるような症状(尿意や便意、パニック様症状など)が起こった際に、逃げるのが難しい、または助けが得られないかもしれない状況」において、不合理かつ強烈な恐怖や不安を感じる病気とされています。
広場恐怖症の方は、特定の場所や状況に対して強い不安や恐れを感じ、それを避けようとすることが多くあります。例えば、電車やエレベーター、人混みといった場所では、パニック発作を引き起こすこともあります。こうした恐怖が日常生活に支障をきたす場合、広場恐怖症と診断されます。

当院での関わり方

当院では、広場恐怖症の治療にあたり、患者様一人ひとりの症状や背景を丁寧に伺い、その方に最適な治療を提供することを大切にしています。治療法としては、まず精神療法を中心に進めていきます。認知行動療法では、恐怖を引き起こす考え方や行動パターンを見直し、少しずつ不安を感じる状況に慣れていくための方法を学んでいただきます。

また、必要に応じて薬物療法を補助的に取り入れます。抗うつ薬や抗不安薬を使用し、不安やパニック発作を軽減させることで、治療効果を高めていきます。当院では、広場恐怖症が日常生活に与える影響を最小限に抑え、患者様が安心して生活を送れるよう、心を込めてサポートいたします。お悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。