パニック障害

パニック障害の症状と特徴

パニック障害は、突然の激しい不安や恐怖に襲われる病気です。特徴的な症状としては、動悸、過呼吸、めまい、発汗、吐き気、頭痛などが挙げられます。これらの症状は「パニック発作」として知られ、一度経験すると「また発作が起こるのではないか」という強い不安(予期不安)を引き起こすことがあります。さらに、この不安から逃れようとする結果、電車やバスなどの公共交通機関や、人混みを避ける「広場恐怖」を併発することも少なくありません。

日本において、パニック障害にかかる人の割合は約3.4%とされ、平均発症年齢は23歳前後で、特に女性に多く見られます。また、患者さんの中には、パニック発作の頻度が増えることで日常生活に大きな支障をきたし、外出が困難になるケースもあります。症状が長引くと、うつ病を併発するリスクもあるため、早期の診断と治療が重要です。

当院での関わり方

当院では、パニック障害の治療において、患者さん一人ひとりに寄り添ったアプローチを心がけています。まず、症状の詳細や発作のきっかけとなった出来事を丁寧にお伺いし、その上でパニック障害についての正しい理解を促します。治療は、主に薬物療法と認知・行動療法を組み合わせて行います。

薬物療法では、パニック発作を抑え、不安を軽減するために抗うつ薬(SSRI)や抗不安薬を用いることが一般的です。一方、認知・行動療法では、発作を引き起こす恐怖心や不安感を和らげるための訓練を行います。この治療には、患者さんの進行度合いや回復状況に合わせた段階的な暴露療法も含まれます。

また、患者さんの家族や周囲の理解と協力も治療には欠かせません。パニック発作は、患者さんにとって非常に恐怖を伴うものであり、その状況を軽視せず、適切なサポートを提供することが重要です。